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2015'03.11 (Wed)

耳のスクイズ (squeeze:押しつぶす)

5.耳のスクイズ (squeeze:押しつぶす)

1)潜行時の中耳圧外傷(中耳スクイズ)

耳の圧外傷は潜行時に起こりやすく、最も起きりやすい場所は中耳です。
スクーバー受講生の約30%は程度の差はあれ耳の圧外傷を起こします。

耳抜きがうまくいかないと水圧により鼓膜が内側に押しやられ、耳に水圧を感じる。

それと同時に中耳内の圧縮され減少した空気容積に相当する血液、リンパ液によって補われるので中耳内壁は膨張する、極限に達すると中耳内に出血したり、リンパ液が参出する。

ear


圧外傷が起こる深度は中耳の空洞の大きさ、鼓膜の弾力性によって決まる。
通常は水深1~2mで起こるのでそれまでに耳抜きをしないと中耳圧外傷が起こる危険が高くなる。

中耳外傷の最初の危険信号は耳で水圧を感じることである。
水圧の知覚が痛覚に変わり、影響を受けている場所が激しく痛み出す。
圧平衡ができないと潜行するにしたがってこの痛みは増す。

そのまま、潜行すると鼓膜が破裂し、水圧や痛みは感じなくなり、代わりに耳の中に冷感を感じる。
これは中耳に海水が浸入して平衡器官付近の骨や組織を冷やすからである。

そうすると熱移動によって平衡器官内のリンパ液の移動が起こり、平衡器官を刺激してめまいを感じる。また破裂した鼓膜から中耳へと侵入した海水は耳管を通して咽喉まで達することもある。

耳の外傷、特に鼓膜破裂はめまいを起こす。
このめまい感覚は平衡失調(バーティゴ)と呼ばれる。吐き気をともなうこともある。

軽度の圧外傷は潜水後に耳の中に不快感を感じたり、軽い痛みを感じる。
また、耳の中に水が残っているような感覚や、自分の声が違和感のある音声に聞こえたりする。

ガムをかんだり、唾を飲みこんだり、顎を左右に動かしたときに中耳に溜まっていた血液、リンパ液の気泡がはじけて破裂音がすることがある。

浮上中に中耳に閉じ込められた空気が膨張して、中耳に溜まった血液を耳管に押し出すこともある。
浮上後、鼻血を出したり、唾液に血が混じっていたりするはこのためである。

eardrum1.png 


『鼓膜破裂写真』鼓膜にスリット状の亀裂


治療:

中耳圧外傷を経験したダイバーは潜水を熟知している医師に検査して貰い鼓膜、内耳の損傷をチエックする必要がある。そしてその原因の評価と再発防止が大切である。

中耳と内耳の損傷の程度を知る上で聴力検査(オーディーオグラム)は不可欠である。

耳管を開くやすくするための経口抗充血剤(あるいは鼻のスプレー薬)を投与したり鼻や咽喉に感染症があったり、中耳内に出血を認めた場合には抗生物質を投薬する医師もいる。

重症の合併症が治まれば耳を安静にして圧外傷が完治するまでダイビング、飛行機の搭乗、耳抜きは厳禁である。普通、完治するまでに1~2週間を要する。

ダイビングを避けるべき期間は圧外傷の程度による。
医師が圧外傷の完治が確認し、耳抜きが可能になるまでダイビング等は行ってはならない。

鼓膜の破裂があった場合、数日で鼓膜が再生しているようにみえても完治するまでに1~3か月かかる。完治しないうちにダイビングを行うと鼓膜の再破裂を起こる恐れがある。
修復部が完治して耳抜きができるようになるまでダイビングを行ってはならない。
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